top of page
Yasuhiro Koma

ウィンブルドン男子シングルスに50年ぶりに本戦に5人出場する事になった事から見る日本と世界との距離

結果、優勝したのはアルカラス、日本人からチャンピオンは生まれなかった。

が、僕から見るに確実に日本人が世界で活躍できるようになっていると思う。

テニスは複雑な要素の組み合わせから構成されるので観戦の仕方が難しくどうしてもわかりやすいサーブのスピードガンの数字や派手なスーパーショットの数々を観てしまいがちだが今日はテニスのプレーでを日本人の活躍と共に説明できたらと思います。



☆綿貫陽介選手の攻める姿勢とサーブ力

まずはわかりやすく日本人でもこんなプレーができるんだ!と思う日本人綿貫選手。

本人のコメントからもわかりますが、サーブの打ちすぎで肩がぶっ壊れました。とのコメント。

3日間で424本のサーブを打ったみたいです。勝負どころで200キロを超えるサーブを叩き込める胆力、それが成功する事に裏付けられたフィジカルと確固たる技術。

サーブがワールドクラスの選手が日本から出てきたのは本当に嬉しい限りです。


観てる人からはサーブだけで決まってつまんないと思われがちですがテニス愛好家ならわかると思います、サーブの重要性を。そして疲れてきた時に最初に威力が落ちるのがサーブだという事を。


ズべレフとの試合の後半は正直体力の限界だったと思いますがあの場面であのクオリティのサーブが打てるのは本当にすごい。


これからも早いサーフェス、守備的な相手との対戦は楽しみです!



☆西岡、ダニエルの守備から攻撃に転ずるタイミングの巧さ


これは少し玄人好みな話なんですが、テニスはミスをすると負けます。ミスをしないようにするには色々な要素があるのですがまず始めに取り組むのがペースを一定にする事です。

ペーストはなんぞや?というとスピード、回転量、タイミングから構成されます。要は同じところに同じボールを打つ事がミスを減らす方法だという事です。


西岡とダニエルの試合を見てもらうとわかるのですがラリーになると基本ポディションを下げ高いボールをタイミング遅く打ちます。

二人の調子が良い時はこのボールが深く伸びていき相手が攻めることが出来なくなり、二人が意図した場所に相手を誘導できます。

そしてポディションが悪くなった相手を見て、一気にタイミングを上げて追い込みにいきます。

タイミングが遅いところから急に速くなるので相手は対応できなくなるわけです。


簡単に書いてますがさっきのミスしない概念からは大きく外れることとなり相手に効果的なのですがかなり難易度が高い難しいショットになります。

これをかなりの精度で出来る西岡、もう少しサーブ力が武器なダニエル。どちらもチェンジオブペースの精度がすごく高いです。



☆日本の環境からは生まれないであろう超高速速攻テニス、望月慎太郎。

彼のテニスは日本でやったら間違いなく怒られます。ボールを捉えるタイミング、狙っている場所がともかくハイリスク。ただ入った時は誰が相手でも決まってしまうぐらいの速攻で過去の日本人にはまずいません。

これは海外に拠点を移した望月選手だからこそ出来るテニスでこの速攻の精度が上がれば世界の上位にくる可能性もあるでしょう。

ただ今の世界のテニスは守れて一発があるプレースタイルがトレンド。トレンドと逆行するスタイルはどうなの?という評価もありますが個人競技はスペシャリティを目指すもの。

みんながやっているからやるではチャンピオンにはなれないと言われています。


そんなハイリスクハイリターンテニスがどう変化していくのかすごく楽しみです。



☆大学テニスからウィンブルドンという異例の島袋将。

テニスでプロになるには?12歳〜14歳で日本一位→海外拠点→20歳ぐらいでブレイク。が定番のパターン。錦織選手も西岡選手もこのパターンです。

島袋選手は大卒という事は少なくとも22歳まで国内にいた事になる。もちろん海外遠征は行っていただろうがやはり経験値でいえば海外組とは大きく差があるだろう。

それでもウィンブルドンの本戦でプレーしてトップ選手であるディミトロフとあのレベルの試合が出来るのは本当にすごい。

大学テニスに進んでプロを諦めて実業団へ、という道も悪くないがやはり彼の影響でプロになる道も開かれているということ。

今まで世界レベルの才能があるだろうなと思う大学生が将来性を重視して企業に就職するところをたくさん見てきたがこの選手のおかげで選手になる人数が増え最終的にトップ選手になる選手も出てくるだろう。そう考えたら島袋選手の功績は大きく期待したい選手だ。


という色々な観点から世界と日本との距離は縮まっていると思います。ジュニアを見ていてもワクワクするクリエイティブなテニスをする選手が増えましたしね。


そしてこれからも日本人選手が見せてくれる新しいテニスや世界のトップ選手との対戦は楽しみかつ勉強になるので今後の期待して見ていきたいです。


このウェブサイトは株式会社WASABIZによって運営されています。無断複製、転載を禁止します。


Comments


bottom of page