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Yasuhiro Koma

錦織選手が怪我から復帰のニュースから見るテニス競技の激しさ



日本テニス界のスーパースター錦織圭選手が2023年復活の兆しが見えています。

自身も大怪我の経験がありますので自信を持って言えるのはテニスという競技の激しさ、身体的な負担の大きさです。

特にシングルスの身体への負担の大きさは大変なもので長い試合になると4、5時間はざら。世界最長試合は11時間5分となっています。

対戦表はシード順位などもありますが基本抽選で誰と当たるかは運になってきます。

その中でA選手>B選手だったとしても前日の試合の対戦相手との試合によって勝ち負けが変わってくるのがテニスです。



このシステムって不平等じゃないの?

たしかに1大会だけで見れば不平等なのですが基本世界のプロトーナメントは年間17大会の合計でのランキング形式となっていまして全てが運の悪いことはほぼ無いぐらい良いこともあれば悪いこともあるようになります。その中でいかにコンスタントに結果を残し続けるかが勝負の分かれ目となります。

このようなルールで一年間戦う事になるとどうしても怪我を押して大会に出場せざる負えない形になりやすくアップセットが起こりやすくなります。

選手としては手を抜いているわけでは無いのですが少し後に大きな大会が控えていたりすると怪我が悪化しないようにプレーしたり棄権をしたりせざる負えない時もあります。


プレースタイルによる身体への負担の違い

では、ともかくトレーニングをして身体を鍛えて試合に臨むのがベストかというとそれだけでは無いのがテニスの面白いところで、テニスにはプレースタイルというものが存在し相性はあれど未だかつて最強のプレースタイルというものは存在せず多種多様なプレースタイルが存在する。

ここで日本のスーパースター錦織選手のプレースタイルの話なのですが錦織はアグレッシブベースライナーという一番身体の負荷が大きいプレースタイル出身で(現在は身体の負荷を減らすためにオールラウンダー)どうしても怪我が起こりやすいプレースタイルなのだ。

皮肉なことに錦織のような低身長の選手はカウンターパンチャーというリアクション(守備)を基本戦術とする選手が多くその中で低身長の日本人でアグレッシブベースライナーという特殊なステータスが彼の魅力の一つと言っても過言ではない。



身体への負担を減らす取り組み、これが本当に難しい

もちろん身体が怪我だらけでは勝ち進めるわけはなくこれをいかに改善するかがテーマとなっていく。

さきほどお伝えしたプレースタイルの変更もその中の一つの方法だ。

ただ変更と簡単にいうがプレースタイルを決めるときには基本は自分の得意技を組み合わせて構築する。

ということはプレースタイルの変更というのは苦手なプレーに挑戦する事になる。今までみたいにいかないのは一目瞭然だ。長い目で結果を見ていくこととなる。


もう一つの方法は道具の変更だ。

単純に硬い道具を使えば反発力は増すが身体の負担は多くなる。

柔らかい道具を使えば反発力は落ちるが身体の負担は小さくなる。

色んなテクノロジーや素材が増えたがこの矛盾する二つを両立した道具は未だかつてない。


なので選手は細かく道具を変更しながら苦手なプレーを練習していくこととなる。しかもある程度の結果を残しながらだ。

大変なのは安易に想像できる。



それでも期待させてくれる錦織選手

そんな錦織選手復活は大変な話を書いてきましたがそれでも期待させてくれるのが錦織選手だ。


期待できる理由も二つの要因

一つは錦織選手が圧倒的なテニスの才能の持ち主だということ。テニスの才能の中で先天的だと言われている感覚が打球センスだ。

これがある人はボールがストリングに接触する1000分の3秒の間を正確なタイミングで捉えることができる。

二つ目は錦織選手が楽しそうにプレーすることだ。病は気からという言葉があるぐらい気持ちと身体は繋がっている。ストイックなタイプではなくプレーを楽しんでやるタイプの錦織選手は前向きなプレーと類稀なる打球センスでワクワクさせてくれる存在だ。

2023年は錦織選手の復活をみんなで応援しましょう!!



この記事の執筆者


鈴木翔


日本テニス協会公認コーチ、全日本選手権出場、テニス事業代表

プロ選手のサポートから始めたての方まで幅広くテニス指導にあたる。選手、コーチ両方の経験からテニスの専門知識からテニスの奥深さを感じてもらうコラムを執筆。


高校からテニスを始め、5年後には全日本選手権に出場。

テニスコーチをしながら選手を兼任し続けますが二度目の全日本選手権出場時に右肘の

内側靭帯断裂の大怪我を負う。

そこからはプレースタイルを変化させ三度目の全日本選手権出場やITFマスターズ(年齢別)の世界ランキング最高27位を記録する。

現在はテニス事業代表として幅広く指導に励みながら自分のテニスも続けております。


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