神村学園(鹿児島)のFW福田師王の最後の冬はベスト4という結果に終わった。
第101回全国高校サッカー選手権の準決勝で岡山学芸館(岡山)と対戦し、3-3からのPK戦で神村学園は敗れてしまった。
福田は、前半38分にMF金城蓮央がエリア外から放ったシュートのこぼれ球をゴールに押し込み2戦連発のゴールを決めたが、PK戦では3人目のキッカーとして出場し、ゴール正面に蹴るも足を残されてセーブされてしまった。
「チームメイトや先生方に申し訳ない」と肩を落とし競技場を去ったが、悔しい想いは今後のドイツで始まるプロ生活において必ず繋がっていくのだろうと感じる。
福田は、「この悔しさをバネにして頑張りたい。まだ成功例はそんな出ていないと思う。自分がその1人として、常に結果を出していきたい」と語っていた。
日本サッカー界期待のストライカーは、卒業後には内定先のドイツ1部のボルシアMGへと旅立ち、チェイス・アンリ(現 VfBシュトゥットガルトII)以来である、卒業後にJリーグを経由せず欧州挑戦を果たすプレーヤーとなる。
同じように、高校卒業後Jリーグを経由せずに欧州挑戦を果たした選手として、伊藤翔(現 横浜FC)、宮市亮(現 横浜F・マリノス)と誰しもが挑めるわけではない高い壁に挑戦をした選手はいたが、期待以上のステップアップを築いた選手がいたかというと、残念ながらYESとはいえないのが事実だ。
このように決して簡単ではないリスクがある道を自ら選択し、福田は海を渡り自らの足で世界を唸らしに向かう。
そんな福田の魅力といえば、抜群の身体能力とゴールへの鋭い嗅覚を駆使し1人でゴールを奪うことができる決定力と、上級生になったことで周りの状況を見ながら自らつぶれ役を買って出たり、反対にエゴイスティックなプレーをするといった選択肢の広さと判断力である。
プレー以外の特徴といえば高い向上心と闘争心であろう。
同い年で、セレッソ大阪に内定しているFW大迫塁と全体練習が終わってもひたすらシュート練習に打ち込んだり、常に実戦をイメージしながら動き出しのタイミングや受ける姿勢など、細かいところまで神経を巡らせてフィニッシュワークを磨き続けていた。
また、その向上心は植生化にも気を配ることにも繋がり、母親に協力してもらいタンパク質を中心にバランスのいい食生活を心がけ、量や1日の食事回数を増やした。
その結果、3年間で体重を16キロ増やし、身長も伸びたことで基盤となる身体を作り出すことができ、サッカー選手として高校世代の中で圧倒的なストライカーとなり得ることができた。
ストライカーとしての能力の高さを支える向上心と闘争心の高さに加え、地道な積み重ねも厭わない気持ちの強さを駆使し、福田師王はドイツへと旅立つ。
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